研究提案課題(平成16年度研究計画)
 研究提案者
 (氏名、所属、職)
中谷 亮一
マテリアル科学専攻・教授
 研究提案課題   知的人工物創成のための新構造磁性ドットメモリーの研究
 研究目的  

ヒューマノイドロボット、マイクロマシンなどを含むあらゆる知的人工物の制御に用いられる次世代機能デバイスとして、超高集積磁性メモリ素子の研究を進める。知的人工物は、それ自身が自立的に制御されなくてはならず、そのためには大量の情報を処理し、格納しなければならない。この情報は、電源の一時的な遮断が生じても失われてはならず、また、知的人工物は宇宙空間などの特種環境で行動することから、耐放射線特性、耐衝撃性などに優れた情報記憶メモリ素子を開発する必要がある。さらには、低消費電力、高速機能などの特性も重要な要素である。上記のような特性に優れるメモリとして、磁性材料の磁化の向きを記憶単位とする磁性メモリの研究が、国内外で盛んに行われている。現在、磁性メモリ素子を実用化する際の問題としては、超高密度実装および低消費電力の特性が考えられる。本研究者等は、超高密度実装化および低消費電力化を実現する最も有力な方法として、磁化環流型メモリ構造を考案し、その実用化への課題を抽出、実用化への要素技術を確立することを目的として研究を行ってきた。2003年度には、リング形状の一部を磁束を通しにくい構造とすることにより、面内磁界の向きにより、磁化の向きを「時計回り」と「反時計回り」との間で制御可能なことを実験的・理論的に明らかにした。2004年度は、さらに、(1)情報の読み出しに必要な磁化の向きの固定された磁性層の形成方法の確立、(2)電気抵抗率変化の検出による情報の読み出しの検討を行う。

 研究概要  
1) 一部が磁束を通しにくい構造となっているリング形状のメモリセルを形成し(図1)、印加磁界による磁化過程を詳細に検討し、情報の読み出しに必要な磁化の向きの固定された磁性層(図1における反強磁性層に接している磁性層)の形成方法を確立する。

2) 下部電極上に磁性メモリセルを形成し(図2)、磁性メモリセル上に上部電極を形成することにより、電極間の電気抵抗の変化の測定を可能にし、メモリセルに蓄積されている情報の読み出しについて検討を行う。
3) 数百nmのオーダーのサイズの磁性メモリセル1個に対して、電気抵抗の磁界による変化を磁気力顕微鏡を改良した装置により測定し (図3)、各メモリセルの磁化過程と電気抵抗変化との関係を詳細に検討する。また、各メモリセルの電気抵抗のばらつきを調べることにより、実用上、不可欠な素子均一性の検討を行う。
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研究提案課題(平成15年度研究計画)
 研究提案者
 (氏名、所属、職)
中谷 亮一
マテリアル科学専攻・教授
 研究提案課題   知的人工物創成のための新構造磁性ドットメモリーの研究
 研究目的  

ヒューマノイドロボット、マイクロマシンなどを含むあらゆる知的人工物の制御に用いられる次世代機能デバイスとして、超高集積磁性メモリ素子の研究を進める。知的人工物は、それ自身が自立的に制御されなくてはならず、そのためには大量の情報を処理し、格納しなければならない。この情報は、電源の一時的な遮断が生じても失われてはならず、また、知的人工物は宇宙空間などの特種環境で行動することから、耐放射線特性、耐衝撃性などに優れた情報記憶メモリ素子を開発する必要がある。さらには、低消費電力、高速機能などの特性も重要な要素である。上記のような特性に優れるメモリとして、磁性材料の磁化の向きを記憶単位とする磁性メモリの研究が、国内外で盛んに行われている。現在、磁性メモリ素子を実用化する際の問題としては、超高密度実装および低消費電力の特性が考えられる。本研究者等は、超高密度実装化および低消費電力化を実現する最も有力な方法として、磁化環流型メモリ構造を考案し、その実用化への課題を抽出、実用化への要素技術を確立することを目的として研究を行ってきた。2002年度には、(1)メモリセルの磁化還流構造として、四角形、三角形と比較して、円形のリング形状が漏洩磁界を生じず、磁性メモリに対して適していること実験的・理論的に明らかにし、(2)リング形状の一部を磁束を通しにくい構造とすることにより、面内磁界の向きにより、磁化の向きを「時計回り」と「反時計回り」との間で制御可能なことを理論的に導き出した。本年度は、さらに、(1)面内磁界の向きによる磁化の制御を実験的に検証する、(2)低磁界での記録を可能にするメモリセル構造を明らかにすることを目的とする。

 研究概要  
1) 一部が磁束を通しにくい構造となっているリング形状のメモリセルを形成し(図1)、印加磁界による磁化過程を詳細に検討し、面内磁界による情報の書き込み方法を確立する。また、書き込みに要する磁界を低減する構造を明確にする。

2) 下部電極上に磁性メモリセルを形成し(図2)、磁性メモリセル上に上部電極を形成することにより、電極間の電気抵抗の変化の測定を可能にし、メモリセルに蓄積されている情報の読み出し方法について検討を行う。
3) 数百nmのオーダーのサイズの磁性メモリセル1個に対して、電気抵抗の磁界による変化を磁気力顕微鏡を改良した装置により測定する技術を立ち上げ(図3)、各メモリセルの磁化過程と電気抵抗変化との関係を詳細に検討する。また、各メモリセルの電気抵抗のばらつきを調べることにより、実用上、不可欠な素子均一性の検討を行う。
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研究提案課題(平成14年度研究計画)
 研究提案者
 (氏名、所属、職)
  中谷 亮一
マテリアル科学専攻・附属原子分子イオン制御理工学センター 教授
 研究提案課題   知的人工物創成のための新構造磁性ドッドメモリーの研究
 研究概要  

ヒューマノイドロボット、マイクロマシンなどを含むあらゆる知的人工物の制御に用いられる次世代機能デバイスとして、超高集積磁性メモリ素子の研究を行う。知的人工物は、それ自身が自立的に制御されなくてはならず、そのためには大量の情報を処理し、格納しなければならない。この情報は、電源の一時的な遮断が生じても失われてはならず、また、知的人工物は宇宙空間などの特種環境で行動することから、耐放射線特性、耐衝撃性などに優れた情報記憶メモリ素子を開発する必要がある。

(1)リング型新構造メモリに対する面内磁界による
  情報の書き込み
磁束の漏洩しないリング型新構造メモリは、リソグラフィ限界までの高集積化が可能であるが、時計回り・反時計回りの書き込み磁界を必要とする。リング形状の一部を削ることによる非対称化により、面内の一方向磁界により、「0」および「1」の情報の選択的な書き込みを可能にする。

(2)低い磁界での情報の書き込み
低消費電力の磁性メモリを実用化するためには、低い磁界で書き込みの可能なメモリを開発する必要がある。リング形状の底部に薄い円盤型の磁性体を設ける(カップ型の磁性体とする)ことにより、磁化の渦構造の核を導入し、比較的低い磁界において書き込みを可能にする。

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