研究提案課題(平成16年度研究計画)
 研究提案者
 (氏名、所属、職)
野城 清
接合科学研究所・教授
 研究提案課題   宇宙空間における溶接・接合技術の確立
 研究目的  

21世紀は宇宙開発時代となることが予想されている。しかし、宇宙における建造物は微小な隕石やデブリ(人工衛星等の小破片)の衝突の危険に曝されており、衝突によって生ずる建造物の損傷に対して迅速な補修溶接・接合技術の開発が急務である。しかし、宇宙溶接については旧ソ連(ロシア)で研究が行われたとされているが、その詳細は明らかにされていない。また、アメリカにおいては近々、研究が始められるとされているが、これまでは全く行われていない。
宇宙空間は微小重力(無重力)、超高真空である点で地上とは大きく異なっており、溶融溶接においては、対流現象、気泡の挙動等は重力の影響を受ける地上での溶接実験では予測不可能である。また、超高真空であることから、固相接合による高信頼性接合部が得られる可能性も考えられる。
本研究においては以下の二点に焦点を絞り、研究を行う。
まず、微小重力環境下においてTIG(ガス・タングステン・アーク)および電子ビームを用いた溶融溶接を行い、溶融池の形状、アーク挙動、対流現象、溶融池内の気泡挙動等におよぼす重力の影響を明らかにし、最適な溶接手法および溶接条件を把握し、宇宙空間における溶接技術を確立する。さらに固相接合については重力の影響が無いため、地上において摩擦攪拌接合(FSW)を行い、接合部の信頼性におよぼす種々の接合因子について、その影響を解析する。

 研究概要  

溶融溶接:
本研究ではTIG(ガス・タングステン・アーク)溶接法および電子ビーム溶接法を採用する。具体的には無重力実験センター、無重量研究所の落下施設に小型溶接装置を搭載することによって、5〜10秒間の微小重力環境下で、上記のガスタングステンアーク溶接および電子ビーム溶接によって得られたこれまでの実験データを詳細に検討する。これにより宇宙構造物の主体となるAl合金を対象に、微小重力環境における溶融池内の対流、気泡挙動を詳細に調べるとともに、溶接部の気密性、強度等の信頼性評価を行う。

固相接合:
溶融池を形成しない固相接合は高真空の宇宙空間での接合技術として十分な可能性を秘めている。固相接合では溶融池を形成しないため、地上実験を中心に研究を行う。固相接合法には未だ開発段階にある摩擦攪拌接合を採用する。宇宙構造物の主体となるAl合金を中心として、種々の材料に対して、ツールの回転速度、接合速度等に関して、最適な接合条件を検討する。

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研究提案課題(平成15年度研究計画)
 研究提案者
 (氏名、所属、職)
野城 清
接合科学研究所・教授
 研究提案課題   宇宙空間における溶接・接合技術の確立
 研究目的  

今世紀は宇宙開発時代となることが予想されている。しかし、宇宙における建造物は微小な隕石やデブリ(人工衛星等の小破片)の衝突の危険に曝されており、衝突によって生ずる建造物の損傷に対して迅速な補修溶接・接合技術の開発が急務である。しかし、宇宙溶接については旧ソ連(ロシア)で研究が行われたとされているが、その詳細は明らかにされていない。また、アメリカにおいては近々、研究が始められるとされているが、これまでは全く行われていない。
宇宙空間は微小重力(無重力)、超高真空である点で地上とは大きく異なっており、溶融溶接においては溶融池形状、気泡の挙動等は重力の影響を受ける地上での溶接実験では予測不可能である。また、超高真空であることから、固相接合による高信頼性接合部が得られる可能性も考えられる。
本研究においては以下の二点に焦点を絞り、研究を行う。
まず、微小重力環境下において電子ビームおよびアークを用いた溶融溶接を行い、溶融池の形状、アーク挙動、溶融池内の気泡挙動等におよぼす重力の影響を明らかにし、最適な溶接手法および溶接条件を把握し、宇宙空間における溶接技術を確立する。
さらに固相接合については重力の影響が無いため、地上において高真空下で摩擦攪拌接合(FSW)を行い、接合部の信頼性におよぼす種々の因子について解析を行う。

 研究概要   溶融溶接:
本研究ではガスタングステンアーク溶接法および電子ビーム溶接法を採用する。具体的には無重力実験センター、無重量研究所の落下施設を利用することによって、5〜10秒間の微小重力環境下で、上記のガスタングステンアーク溶接および電子ビーム溶接によって得られたこれまでの実験データを詳細に検討し、宇宙構造物の主体となるTiあるいはAl合金を対象に、溶接部の気密性、強度等の信頼性評価を行う。

固相接合:
 溶融池を形成しない固相接合は高真空の宇宙空間での接合技術として十分な可能性を秘めている。固相接合では溶融池を形成しないため、高真空下での地上実験を中心に研究を行う。固相接合法には未だ開発段階にある摩擦攪拌接合を採用する。評価する項目は溶融溶接の場合と同じである。
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研究提案課題(平成14年度研究計画)
 研究提案者
 (氏名、所属、職)
  野城 清
接合科学研究所・教授
 研究提案課題   宇宙空間における溶接・接合技術の確立
 研究概要  

微小重力下における溶接実験は、宇宙溶接技術を確立する上で重要であるのみではなく、溶融池に働く重力の影響を排除できるため複雑な溶接現象を単純化できる。
本研究では以下の項目に焦点を絞り溶接現象を検討する。

(i) 微小重力下におけるアーク溶接現象の観察
(ii) 微小重力下における電子ビーム溶接現象の観察
上記(i) (ii) について検討するために微小重力・無人環境下で、作動可能な装置の設計・製作し、製作した装置を用いた溶接実験を行う必要がある。
本年度は(i) に関する研究を中心に行う。

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