相当ひずみ4以上の強ひずみ加工により、平均結晶粒径1μm以下の超微細粒組織が形成されることが明らかとなっている。また、鉄鋼材料の場合には比較的低温での大圧下後の相変態を含む加工熱処理により、やはり超微細粒組織が得られる。このように大加工・強ひずみ加工は、組織超微細化によるバルク構造用金属材料の先進材料化における最も重要なプロセスである。しかるに、金属材料の強ひずみ加工に伴う組織の発達過程は十分明らかにされていない。本研究は、研究提案者が開発した強ひずみ加工法であるARB(Accumulative
Roll-Bonding;繰り返し重ね接合圧延)により種々の構造用金属材料を強ひずみ加工し、それに伴う超微細組織の発達過程を組織学的・結晶学的に定量的に明らかにするとともに、そうした組織パラメーターと材料の機械的性質との相関性を明らかにすることを目的とする。 |