圧延とは?

回転する2つのロールの間の材料を図のように摩擦によってかみ込ませ,厚さ,あるいは断面積の小さい板,あるいは形材などを製造する加工方法を圧延という.

金属のかたまりから,板や形材を作るのに,古くはハンマーによって叩いて延ばしていた.ロールによって連続的に板を圧延する方法は15世紀末にレオナルド・ダ・ビンチによって初めて行われたとされている.当時は貨幣の素材を作るために圧延が用いられており,16世紀に入って棒や形材などの圧延も行われるようになった.また,それまでは人力・畜力あるいは水力に頼っていた動力に,初めて蒸気力が利用された18世紀末以降は,圧延機も急速に発達し,ロール及びハウジングの大型化や,ロールの多段化へ進展した.19世紀になると,ベッセマーによる転炉製綱法や,ジーメンス・マルチン兄弟による平炉製綱法が発達して,鉄が安価に大量生産できるようになり,圧延工場の規模も大きくなり,20世紀に入って電動機が利用されるに至って製品需要の増大と共に圧延工業は一大飛躍を遂げた.

各種の製品が多くの圧延行程を経て製造され,膨大な量の金属が圧延の対象となっている.圧延は基幹となる生産手段であり,また塑性加工による材質改善が非常に期待できる加工法でもあるので,その技術開発,改良は絶え間なく続けられていて,進歩はめざましいものがある.


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