21世紀は「環境の世紀」といわれます.我々が人類と地球の将来を真剣に考え,取り組まなければならないということです.「ものづくり」の世界も例外ではありません.環境負荷を低減し,人間に安心と安全をもたらすものづくりをすすめていく必要があります.「環境材料学」とは資源・エネルギーの循環に役立ち,ひとにやさしい工業製品を形作るための材料学です.
わたくしたちの研究室では,金属材料とその表面酸化物を主な対象として
材料の長寿命化
エネルギー再生・変換にかかわる機能材料
医療材料の安全性
にかかわる研究を行っています.
具体的には,金属の環境劣化の解析,長寿命化のための対策,金属酸化物のナノスケール微細加工によるエネルギー材料の探索,金属系バイオマテリアルの生体適合性に関する研究テーマに取り組んでいます.我々の研究の特徴は,材料基礎物性から実用材料までに関わることです.材料表面の電子構造から実環境での金属の腐食損傷まで,すべて実験的に取り扱います.
また,金属材料の環境挙動は企業における材料研究・開発
と関連が深く,私どもの研究室では2007年より,大手鉄鋼会社
のひとつである日新製鋼(株)と「鉄鋼表面フロンティア共同研
究講座」を設立し,産業の最先端ニーズに対応する体制も整え
ています.
このWebページをつうじて,私どもの教育・研究に興味を持っ
ていただければと希望しています.そして,意欲ある学生・院生
が私どもの研究室に加わり,「環境材料学」をつうじて人類の共
通課題に取り組んでくれることを期待しています.