学生・若手の活動報告

学術交流セミナー開催

第14回上海交通大学-大阪大学学術交流セミナー報告
大阪大学・工・マテリアル生産科学専攻 門田圭二, 堀内悠, 宮川春彦, 山口勝弘

1.はじめに
グローバルCOE「構造・機能先端材料デザイン教育研究拠点」(大阪大学)の支援をいただき、上海交通大学との学術交流セミナーに参加した。本セミナーは1995年より接合科学、材料工学の分野より始まり、14回目の今回は、新たに光学、歴史の分野が加わり6分野での交流となった。このように、本学と上海交通大学間の交流は広い分野に発展している。
本年は10月28-30日の日程で行われ、今回初めての試みとして、両大学の博士後期課程の学生が参加することとなり、本専攻からは門田圭二、堀内悠、宮川春彦、山口勝弘の計4名が参加し、両大学の学生間での研究発表会を行った。

2.上海交通大学の周辺環境
上海交通大学は理工系の伝統の強い国立総合大学で、国家重点大学の一つである。上海市内に5つのキャンパスをもち、本部のある徐匯キャンパスより、車で約1時間離れた閔行キャンパスで本セミナーは開催された。
上海市は、人口が中国第2位の都市であり、中国最大の商業・金融・工業都市である。また2010年には上海万博が行われることもあって、都市開発が非常に活発であり、中国の経済成長を印象づけるものであった。

3.スケジュール
初日(28日)
空港到着後、バスにて徐匯キャンパスの宿泊施設「教師活動中心」に移動。夕食は両大学の学長を含む全分野の参加者によるWelcome Receptionが行われた。
2日目(29日)
午前中は開会式が行われ、両大学の学長による大学間学術交流更新協定書の調印式、鷲田清一総長の著書寄贈などが行われた。
午後からは各分野でセッションが開かれ、材料分野における両大学の最先端の研究を知ることができた。
3日目(30日)
午前中は材料系の博士後期課程の学生計8名によるセッションが開かれた。内容は大阪大学側に基礎研究の発表が多かったのに対し、上海交通大学側はより実践的な内容が多かったのが印象的だった。セッションでは、両大学の学生が英語での発表・ディスカッションに不慣れだったこともあり、ディスカッションを活発に行うことはできなかった。しかし、セッション後の移動中の車内では、互いの研究に関するディスカッションを行うなど、充実した意見交換が行われたように思われる。
昼食は両大学の学生間で雑談をするなど、楽しい時間を過ごすことができた。そして午後からは上海交通大学の学生に上海市内を案内して頂いた。中国の店における支払いのルールを知らなかったために困ったが、彼らが親切に対応して下さったおかげで、問題なく買い物することができた。また、行動を共にしている間、互いの文化について話し合うなど、楽しい時間を過ごすことができた。このように、英語で意思を伝え合うことができたことは、我々にとって非常に良い経験となった。
夕食後は両大学の材料系参加者で上海雑伎団の演技を鑑賞した。

4.まとめ
海外の大学との学術交流を通じて、大学間で親密な関係を築くことは研究のさらなる発展につながり、非常に有益であると感じた。また、学生間でのセッションを通じて、英語で議論することの難しさを知った。しかし、先月のアメリカでの「海外研究発表研修」に引き続いて参加したため、研修の成果を試すよい機会であり、またそれぞれ上達を認識することができた。また、海外の学生との英語でのコミュニケーションがより円滑にできるようになり、本セミナーの参加は我々学生にとって非常に有用なものであった。

謝辞
今回、出張旅費を支援頂きました研究拠点形成費補助金グローバルCOE プログラム「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」(大阪大学)に感謝申し上げます。


上海交通大学の学生とのディスカッション風景


両大学の学術交流セミナー参加者
(右から2人目は3日間にわたり
日本人参加者の案内をしてくれた
学部学生のゴーウェイ君)