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研究プログラム

金属材料を中心とし、セラミックス、半導体材料等の結晶性のハードな材料を対象に、材料科学・材料工学の広範な領域をカバーします。具体的には、構造・機能先進材料の基礎物性から、組織制御、製造プロセス、ナノ構造評価、機能性評価、接合・構造体化、利用・廃棄・再資源化までを包含した幅広い学問分野を対象とし、相互連携により「基礎科学」の充実とその先にある「ものづくり」を意識した研究を行います。その中には、本拠点が中心となって開拓してきた「ポーラス材料学」とも呼ぶべき新学問領域や、独自の強ひずみ加工プロセスを基盤とした「超微細粒バルク材料学」など、数多くのオリジナルな研究領域が含まれています。取り扱う材料群は、建造物ならびに各種輸送機器用の構造材料、精密機械・マイクロマシンの根幹をなす機能・知能材料、高度情報化社会を担うレーザや超高集積記憶媒体などの半導体オプトロニクス・磁気スピントロニクス材料、さらに医療・福祉にかかわるバイオマテリアルなどです。こうした学問領域の研究の深化と共に、融合・統合し、新たな学問体系を確立することにより、材料工学の飛躍的発展を図ります。本拠点では、多種多様・多機能な材料の開発・デザインを、原子・分子レベルからの機能発現メカニズムの解明とそれに基づく最適構造設計によって達成するとともに、構造体化までをも見据え、材料基礎から応用に至る「ものづくり」を意識した教育・研究・人材育成体制を整えることにより、これを達成します。

本グローバルCOEプログラムでは、構造材料と機能材料という基盤的に重要な2つの材料を柱としつつも、従来のある種古典的な分類を超克した構造材料と機能材料のボーダレス化を図ります (下図参照) 。すなわち、多様かつ多面的な機能と特性を持った構造・機能先進材料を創製する学術的基盤創出のため、既存学問体系に捉われない新分野に再編し、(a) 構造的用途指向型先進材料研究プロジェクト、(b) 構造・機能融合用途指向型先進材料研究プロジェクト、(c) 機能的用途指向型先進材料研究プロジェクトという3プロジェクトを実施することを計画しています。その結果として、力学特性を重視する材料から量子機能を重視する材料まで傾斜的にその機能を捉え、場合によっては、前者に対して他機能 (たとえば磁気機能) を、後者に対して力学機能を付与することにより、構造と機能の両方の特性を併せ持つ先進材料の開発が可能となります。こうした分類に基づく新材料研究として、極限環境下での自己修復作用と力学機能を併せ持つ夢の航空宇宙材料、超軽量省エネルギー型高速輸送機器をはじめとする新規材料、超高集積磁性メモリー素子、フレキシブル素子、超高機能半導体発光素子、超磁歪アクチュエータ素子などに利用できる特殊材料、各種生体組織の自己再生、ならびに再生誘導を促進するための生体再建材料の創製ならびにプロセス開発を実施します。

構造材料と機能材料