大阪大学-韓国・慶尚大学校(Gyeongsang National University)第6回学術交流会参加報告

プロジェクト報告 構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点

大阪大学-韓国・慶尚大学校(Gyeongsang National University)第6回学術交流会参加報告
大阪大学・工・マテリアル生産科学専攻 福康二郎、園村浩介、辻尭宏、野田慶一、
土井康太郎、森田昌吾
(同行教員: 大阪大学・産業科学研究所 中嶋英雄、
 工・マテリアル生産科学専攻 宇都宮裕)

1. はじめに
 グローバルCOEプログラム『構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点』(大阪大学)の御支援を頂き、平成23年12月11日〜12月13日の3日間にわたり、韓国・慶尚大学校(Gyeongsang National University)との第6回学術交流会に参加した。本グローバルCOEプログラムからは中嶋英雄教授、宇都宮裕教授の2名のスタッフと、博士後期課程所属の園村浩介、辻尭宏、野田慶一、福康二郎の4名の他、博士前期課程所属の土井康太郎、森田昌吾の2名も参加した。本交流会は、慶尚大学校Tae-hyun Nam教授ならびに慶尚大学校の教員、学生の御協力のもと、両校の学生による研究報告や積極的な国際交流を通じて、様々な知見と経験を得ることができた。以下に、交流会の概要、感想についてまとめた。

2. 学術交流会の概要
 初日に空港到着後、慶尚大学校のNam教授および同大学の学生に御案内頂き、コガ大橋を経由して統営市(Tongyeong City)の見学ツアーを行った。統営市内でWelcomeパーティーを開催して頂き、両校の親睦を深めた。2日目の午前には、晋州市の慶尚大学校内において、大阪大学から6名(園村、辻、野田、福、土井、森田)、慶尚大学校より6名の学生計12名による研究講演会が開催され、活発な議論が行われた。昼食後には、慶尚大学校内の研究室見学を行い、有機化学・半導体・エネルギーなど幅広い分野の研究内容・研究設備を御紹介頂いた。研究室見学後は、晋州城をはじめ、観光名所を御案内頂いた後、レセプションが開催され、韓国の伝統料理を堪能しながら、慶尚大学校の教員や学生と幅広い国際交流が行われた。3日目は午前中に晋州を出発し、同日帰国した。

3. 学術交流会において得た知見ならびに感想
 慶尚大学校の研究講演会および研究室見学を通じて、いずれの研究内容も社会への貢献度を強く意識したものであることが印象強かった。実験目的・現在の問題点・その対策など、綿密な実験計画のもと、産業界で応用可能な材料設計がなされており、慶尚大学校の教員や学生ともに、実用化に対して高い意識で研究がなされていた。大阪大学・慶尚大学校ともに今回参加した学生の研究は他分野に亘っていたが 、異なる分野の研究内容にも高い興味と理解を示し、両校ともに活発なディスカッションが行われ、充実した講演会となった。さらに、慶尚大学校の学生は英語コミュニケーション能力に対しても高い意識を持っており、講演会中のディスカッションだけでなく、研究室見学や懇親会などにおいても、的確な英語で交流してくださり、普段から英語を使う機会の少ない我々にとって、有意義な時間となった。
 統営・晋州市の見学では、自然豊かな絶景ポイントや、活気あふれる市内散策など、様々な場所に御案内頂き、その土地特有の独特な雰囲気を楽しむことができた。特に、晋州城見学では、現地のガイドに晋州の文化や歴史、日本との繋がりに関して説明して頂き、これからの国際交流について考える良い機会となった。統営・晋州市ともに、興味深い視察ポイントが多く、充実した時間を過ごすことができた。


慶尚大学校での学術交流会参加者

4. まとめと今後の展望
 大阪大学と韓国・慶尚大学校による第6回学術交流会を通じて、多分野の先端技術を学ぶことができた。研究内容だけでなく、研究への意識やその姿勢は見習うべき点が多く、自身の研究に対する視野も広がった。本学術交流会は、新たな友人や様々な知識を得ることができ、非常に有意義なものとなった。この経験を、国際的に活躍できる研究者を目指す我々自身の財産にしたい。

謝辞
 本学術交流会は、研究拠点形成費補助金グローバルCOEプログラム「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」(大阪大学)の研究費支援の下に実施された。


研究講演会の様子


慶尚大学校での研究室見学の様子