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21世紀COEプログラムの成果

本拠点は、平成14年度開始の21世紀COEプログラムに「構造・機能先進材料デザイン研究拠点の形成」として採択され、材料科学・工学分野で世界をリードする創造的な人材育成を恒常的に行なうための教育研究拠点の形成に努めてきました。その結果、以下に示すような実績を得、21世紀COEプログラムの中間評価においても高く評価されています。

人材育成の成果

本拠点では、21世紀COEプログラム開始当初より、拠点独自のユニークな3つの教育プログラム、すなわち、(1) 「スーパーエリート養成プログラム」 (若手研究者の独創的研究と経済的自立の促進)、 (2) 「海外武者修行プログラム」 (海外研究機関への派遣を通じた国際的研究者の養成)、 (3) 「ブーメランプログラム」 (国内他機関への派遣による自立性の拡大・醸成) を継続的に実施しています。ここでは、材料科学・工学に関する幅広い専門知識に加えて競争意識と自立心を具備し、国際感覚と独創性に富んだ世界に通用する若手研究者の養成を目的に、毎年度の書類・ヒアリング審査により選抜された博士後期課程学生20〜30名および35歳以下の若手研究者約10名を集中的に育成してきました。こうした教育プログラムの効果は絶大で、例えば大学院生による論文発表数 (76件(H14)→148件(H18))、学会発表数 (127件(H14)→175件(H18))、受賞件数 (例:1件(H14)→14件(H18))、等の顕著な増加、アカデミックポジションへの就職 (海外研究機関5名、大学教員16名、国内研究機関7名他 (H14〜H18実績))、 など目に見える形で実績の拡大が続いています。特に海外研究機関や拠点外の大学・研究所への就職数が増加し、本拠点が国内外の材料工学分野で活躍する人材育成の重要拠点として機能してきたことを実証しています。また、育成された若手人材の拠点内での活躍も目覚しく、教育支援を受けた12名の学生は大阪大学内で助教として採用され、さらにその内の3名は、今回のグローバルCOEプログラムでの事業推進担当者に抜擢されるまでの成長を遂げています。

研究活動の成果

阪大材料系の研究水準は、21世紀COEプログラム開始当時から極めて高く、例えばMaterials Science分野の被引用数ランキング (H6.6.1〜H16.6.30) で大阪大学が世界9位 (トムソンサイエンティフィック社発表データ) に位置するなど、個々には突出した成果をあげていました。しかしながら、21世紀COEプログラムの拠点採択を機に、材料科学・工学分野における新たな学問の創出を目標に、狭い領域に特化した研究から脱却して、連携融合により新学問・研究領域を創成するための仕組みづくりに努めてきました。具体的には、(1) 構造先進材料の設計・実用化と信頼性評価プロジェクト、(2) 知的人工物創成のための機能デバイス・システムインテグレーションプロジェクト、(3) 生体再建材料の設計開発プロジェクトの3重点研究プロジェクトを実施すると共に、各プロジェクト間の連携を図ることで、世界レベルで先導的な材料科学・工学研究を行う体制を構築しました。ここから生み出された成果は、論文発表 (1053件/5年)・新聞報道 (224件/5年) などを通じて国内外に情報発信されています。さらに、「構造・機能先進材料デザインに関する国際会議 (H16.11.10) 」をはじめとする9件の国際会議を開催し、国際論文誌2件で特集号を発行しました。また、21世紀COEプログラム開始時の公約でもあった「構造・機能先進材料デザイン教育研究センター」設置と専用建物が平成19年10月に竣工します。このように拠点の企画運営・実施の中枢が組織的にも、物理的にも整備されて、恒常的に発展可能な状況となっています。